大阪のビジネス街でもある淀屋橋~中之島~北浜付近は、近代的なビルが立ち並ぶ中に突如としてレトロな建築物が現れます。
これらの建物は明治から大正時代にかけて建てられたもので、当時の建築技術やデザインを反映した独特の雰囲気を持っています。
そこで今回は、このビジネス街にあるレトロな建築物を巡る散策を提案します。
建物の歴史や魅力などを紹介しながら、大阪の別の一面を楽しんでみましょう。
日本銀行大阪支店
京阪電車中之島線・大江橋駅下車すぐ、大阪メトロ御堂筋線・淀屋橋駅からも北へ歩いてすぐの場所に佇んでいるのが、日本銀行大阪支店です。
堂島川と土佐堀川に挟まれた中洲部分は中之島と呼ばれており、江戸時代には各藩の蔵屋敷が集中し、全国各地の物資が集まる「天下の台所」大坂の中枢を担いました。
そのひとつ、島原藩の蔵屋敷跡に1903年(明治36年)建てられたのが日本銀行大阪支店。
近代建築の父・辰野金吾設計による旧館は、歴史的な銀行建築として知られています。
美しい外観を見学するのはもちろん自由にできますが、館内の見学には見学希望日の90日前から14日前までに予約が必要です。
大阪府立中之島図書館
日本銀行大阪支店から御堂筋を挟んだ向かい側にあるのが大阪市役所。
大阪市役所もかつては1921年に建築された庁舎がありましたが、現在は取り壊されてしまいました。
その大阪市役所の東側にあるのが大阪府立中之島図書館です。
1904年(明治37年)にネオ・バロック様式で建てられた建物ですが、中央入口にある4本の太い柱がギリシャの神殿を思い浮かべるかも。
その入口から中に入るとドーム状の中央ホールが迎えてくれます。
大阪府立中之島図書館は、国の重要文化財に指定されています。
大阪市中央公会堂
中之島図書館からさらに東に歩いてすぐにあるのが大阪市中央公会堂。
赤レンガとアーチ状の屋根が美しいネオ・ルネッサンス様式の建物で、国の重要文化財に指定されています。
1918年(大正7年)11月17日に完成した中央公会堂は、2018年11月に100周年を迎えました。
現在はライトアップや期間限定で東側壁面と床面にプロジェクションマッピングを実施するなど、大阪の人たちに親しまれています。
ライオン橋(難波橋)
中央公会堂からさらに東に5分ほど歩くと橋が見えてきます。
その石造りの橋が難波橋。
その難波橋の南北の橋詰の4方向にライオンの像が飾られています。
なので、通称ライオン橋とも言われています。
なぜライオンなのかと言うと、建設当時には非常に珍しかった天王寺動物園のライオンがモデルといわれています。
なおこのライオン像、左側が口を開く阿形像、右側が口を閉じる吽形像となっており、「阿吽のライオン」とも呼ばれています。
大阪証券取引所
難波橋のすぐ近くの南東側にあるのが大阪証券取引所。
江戸時代、全国諸藩から中之島の蔵屋敷へ集まってくる米の取引のために、大坂の米穀取引所を起源に1878(明治11年)に設立された大阪株式取引所。
戦後には大阪証券取引所(大証)として、現在も証券会社や銀行が集中する大阪の経済の中心地です。
1935年(昭和10年)に完成した円筒形の取引所は2004年(平成16年)に建て替えられましたが、円形のエントランスホールの外観のみが残されています。
まとめ
現代建築物の中にふと現れるレトロな建物。
それらを探しながら中之島付近を散策して、歴史を感じてみませんか?
ビジネス街でもある北浜方面にもレトロな建物が点在します。
こちらもいずれ紹介出来ればなと思っています。