【完全ガイド】岡山後楽園の歴史と見どころを紹介!

【完全ガイド】岡山後楽園の歴史と見どころを紹介! 景観・施設
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岡山後楽園(おかやまこうらくえん)は日本三名園の一つとして、その美しさや歴史的価値において高く評価されています。

この記事では、後楽園の歴史や建造物、庭園の見どころや季節ごとの魅力、アクセス方法などを詳しく解説し、後楽園を訪れる際の参考にしていただける情報をまとめています。

はじめに:岡山後楽園の概要と基本情報

後楽園

岡山後楽園は、岡山市北区にある日本庭園であり、金沢の兼六園、水戸の偕楽園と共に日本の三名園のひとつです。江戸時代の前半に岡山2代藩主・池田綱政によって築造された庭園で、1952年に国の特別名勝に指定されました。

庭園の名前である「後楽園」は、中国の宋代に氾仲淹が著した『岳陽楼記』の中にある「先憂後楽」から取ったと言われています。

後楽園は、大規模な池や川、島々、山々、丘陵地帯、木々、茂み、広場、休憩所、茶室、そして多様な植物などから構成され、日本庭園の代表的な特徴である「回遊式庭園」を形成しています。

庭園内には、国の重要文化財である「岡山後楽園石塀門」や、美しい夜景で有名な「幻想庭園」、石橋や広場、そして数々の名勝、史跡、文化財などがあります。

後楽園は、観光客だけでなく、地元の人々や散歩する人たちにも親しまれ、岡山市のシンボル的存在として愛されています。

岡山後楽園の歴史

岡山後楽園は、江戸時代後期に岡山藩主池田家の別荘として建設され、その美しさから「日本の庭園100選」や「日本の名園50選」に選ばれています。

しかし、第二次世界大戦中に焼失し、その後復元されたものです。
次は岡山後楽園の歴史と、焼失の背景について詳しく紹介していきます。

岡山後楽園の歴史的背景や建築家、造園家

岡山後楽園は、江戸時代前期の岡山2代藩主である池田綱政によって築造された庭園です。綱政は、藩政の発展に伴い、身分を高めるために様々な文化事業を行い、岡山城下を彩るための庭園造りにも力を注ぎました。

後楽園の設計は、松江藩の第5代藩主・松平治郷に師事した森川久兵衛が担当し、建物の設計は岡山藩の大工棟梁である浜田兵衛が手がけました。
庭園は、全体が約13ヘクタールにも及び、大きな池や島、丘陵地帯、広場などから構成され、回遊式庭園として知られています。

島茶屋

また、庭園内には多数の茶室があり、そのひとつにそのひとつに太鼓橋が架かった先にある「島茶屋」の茶室があります。島茶屋では実際に胡桃入りの「吉備団子」と「抹茶」をいただくことができます。

後楽園は、第二次世界大戦中の1945年8月6日に被爆し、園内の建物や庭園が壊滅的な被害を受けました。
その後、1952年に復興工事が始まり、1992年に国の特別史跡に指定されました。
復興にあたり、建物や庭園はできるだけ当時の姿を復元し、多くの観光客に愛される名勝地として蘇りました。

戦争による被害の歴史は、岡山後楽園の歴史の中でも重要な一つの要素として語り継がれています。

後楽園の建造に至るまでの歴史的背景

延養亭(えんようてい)

岡山後楽園の建造に至るまでの歴史的背景には、岡山藩主であった池田綱政の文化的な志向が関係しています。
綱政は、藩政を発展させるために、さまざまな文化事業に取り組みました。その一環として、岡山城下に広大な庭園を造る計画が持ち上がり、庭園の造成に取りかかりました。

藩主のやすらぎの場として作られた後楽園は、「延養亭(えんようてい)」や園内にある建物の座敷から景色を楽しむ要素の強い庭園です。
綱政の子である継政の代になると後楽園は改築が入ります。園内中央に山を築き、そのふもとに水路を巡らせたりと、座敷から眺めるだけでなく、庭を巡り歩いても楽しい回遊性が備わります。

こうして時代とともに藩主の好みや社会事情によって後楽園は変化し、今も数多くの人々に愛され続けています。

岡山後楽園の見どころ

岡山後楽園の見どころは、美しい池や島、林、橋、茶室、山荘などの自然と建築物の絶妙な調和にあります。
また、季節によって変化する美しい花々や木々、紅葉なども魅力のひとつです。
さらに、歴史的な建造物や文化財も多く、岡山の歴史と文化を感じられます。

後楽園内にある有名な施設

延養亭(えんようてい)

延養亭(えんようてい)

その中でも特に有名なのが、藩主の居間として使用した「延養亭(えんようてい)」で、正門から庭内に入ったすぐ右側にあります。沢の池、唯心山や園内外の景観が一望できる、後楽園の中心的建物です。 岡山後楽園は延養亭からの眺めが最も美しくなるよう造られています。

能舞台

延養亭のすぐ後ろには「能舞台」があり、池田綱政が能に熱心であったことや優れた舞手でもあったことから、数多くの名品を残しています。
現在の建物は戦後再建されたものになります。

10月頃には初めての人でも分かりやすい解説が付きながら、日本の伝統芸能、能楽が楽しめるイベントが開催されたり、11月3日の文化の日には、「後楽能(こうらくのう)」という催しも毎年開催されています。

茶祖堂(ちゃそどう)

茶祖堂」は幕末の家老の下屋敷にあった茶室で、わび茶の祖とされる千利休が祀られていました。
戦災で再築されたのですが、岡山の喫茶の習慣を日本に伝えたとされる栄西禅師も一緒に祀られたことから「茶祖堂」と呼ばれるようになりました。

これらの施設は、庭園や茶道文化を楽しむために造られたもので、美しい景観や精巧な構造が見どころとなっています。

後楽園の戦災をまぬがれた施設

観騎亭(かんきてい)

戦災を免れた建物のひとつ。1943年の水害後に復旧された姿を現在も留めています。
江戸時代には家臣が馬術の上達ぶりを藩主の前で披露する行事があり、藩主はここからその様子を眺めたそうです。
桜の時期は180メートルの馬場が桜に染まり、花見のスポットとしても人気が高い場所になります。

流店(りゅうてん)

流店(りゅうてん)

「茂松庵」「廉池軒」「島茶屋」「茶祖堂」などの他の茶室とは違い、建物の内部を水路が通っています。その水路に赤、青、紫の6つの石が配置され、その石は京都加茂川から取り寄せたとされています。
また、木造建築の二階建て構造になっており、1階となる部分は壁がなく吹き抜けとなっているのも特徴です。

廉池軒(れんちけん)

廉池軒(れんちけん)

こちらも戦災を免れた数少ない建物のひとつであり、岡山藩主池田綱政がもっとも好んで利用していた場所と言われています。
一般貸し出しも行われており、休憩や会食、ウェディングでも利用することが可能です。
廉池軒からの眺めは水の景色に優れており、沢の池や唯心山など園内の景勝が望めます。

岡山後楽園の庭園の特徴

沢の池

庭園の美しさ

岡山後楽園の庭園は、江戸時代後期に造営された日本庭園の代表的な作品の一つです。庭園は、池泉回遊式庭園と呼ばれる日本の庭園様式を取り入れたもので、池や滝、島、茶屋などが配置された美しい景観が特徴です。

庭園の美学的な側面については、緻密な造園技術や季節感を表現する植栽などが挙げられます。また、庭園の各エリアには、枯山水や苔庭、岩盤庭など、様々な日本庭園の技法が用いられています。これらの技法は、風情ある庭園の美しさを生み出しています。

後楽園の庭園は、日本の庭園文化の粋を集めた美しい景観であり、日本の美意識や文化を深く感じることができます。

庭園の特徴的なデザイン、組み合わせ

岡山後楽園の庭園は、日本庭園の代表的な様式である池泉回遊式庭園を取り入れたもので、特徴的なデザインや組み合わせが多数あります。

庭園の中心となる「沢の池」には島茶屋のある「中の島」、釣殿のある「御野島」、白砂青松が美しい「砂利島」が浮かんでいます。
また、池の周りには大小さまざまな石や岩が配置され、風情ある景観を生み出しています。

庭園の植栽については、季節感を表現するために、様々な樹木や草花が植えられています。例えば、春には桜やツツジ、夏にはハスやアジサイ、秋には紅葉など、季節に応じた美しい景観を楽しむことができます。

庭園の中には、枯山水庭園や苔庭、岩盤庭など、様々な日本庭園の技法が用いられています。これらの技法を組み合わせることで、後楽園の庭園は、美しく独特な景観を生み出しています。

岡山後楽園の季節の変化

春の桜や秋の紅葉など、季節ごとの岡山後楽園の魅力

後楽園 ツツジ

岡山後楽園は、季節ごとに美しい景観を見せてくれる庭園としても有名です。
春には、桜やツツジ、ボタンなどの花が咲き乱れ、美しいピンク色や白色の花々が池の水面に映えます。また、秋には、紅葉が美しく色づき、庭園全体が赤や黄色に染まります。

岡山後楽園では、春や秋にはライトアップも行われ、夜間でも幻想的な美しさを楽しむことができます。その他にも、梅や菜の花、萩など、季節に応じた花々が咲き誇る姿が楽しめます。

季節ごとに変化する岡山後楽園の風景は、日本庭園の美学を表現する上でも欠かせないものであり、多くの観光客から愛されています。

季節ごとのようなイベントや見どころ

岡山後楽園では、季節に合わせて様々なイベントが開催され、観光客に人気です。春には、桜まつりが開催され、桜の開花に合わせて多くの人が訪れます。また、夜にはライトアップが行われ、幻想的な雰囲気が楽しめます。

夏には、花火大会が開催され、夏の夜空を彩ります。また、秋には紅葉まつりが開催され、紅葉の美しさを楽しむことができます。冬には、イルミネーションが行われ、幻想的な雰囲気が庭園全体を包みます。

その他にも、季節に応じた庭園の見どころが多数あります。例えば、春にはツツジのトンネルや菜の花畑、秋には紅葉の名所などがあります。季節ごとに異なる魅力が楽しめる岡山後楽園は、多くの観光客から愛されています。

岡山後楽園のアクセス方法と周辺情報

岡山後楽園へのアクセス方法や周辺情報を解説

後楽園 駐車場

岡山後楽園へのアクセス方法は、JR岡山駅から市バス「後楽園口(東口)」行きに乗り、約10〜15分で終点である「後楽園口」で下車する方法があります。
徒歩で行く場合はJR岡山駅から約25分程度です。
また、車でのアクセスも可能で、駐車場も完備されています。

普通車:750台、1時間辺り100円
大型車:12台、1日1回620円

周辺には、後楽園をはじめ、岡山城や博物館などの観光スポットが多数あります。
また、飲食店やお土産屋なども多く、観光客にとって便利な環境が整っています。岡山市内からもアクセスが良く、観光に最適な場所と言えます。

周辺にあるおすすめの観光スポットやグルメスポット

岡山後楽園周辺には、岡山城や吉備津神社などの歴史的な観光スポットが多数あります。
また、岡山らしいグルメとしては、「もみじ饅頭」や「きびだんご」などが有名です。

さらに、後楽園から車で約30分ほどの距離には、倉敷市の美観地区があります。美しい風景やアート、おしゃれなカフェやレストランなど、観光客に人気のスポットです。

また、岡山市内には多くの飲食店があり、地元の美味しい食材を使った料理を楽しむことができます。
岡山市内にはさまざまなレストランがあり、様々なジャンルの料理を味わうことができます。観光ついでに美味しいグルメを楽しむのもおすすめです。

おわりに:岡山後楽園への訪問を楽しむためのアドバイス

岡山後楽園への訪問を楽しむためには、事前に計画を立て、混雑を避けることが大切です。
また、園内は歩きやすい靴での訪問がおすすめで、季節や天候に合わせた服装も忘れずに。

さらに、岡山のグルメや観光スポットも合わせて楽しめるため、充実した旅行を計画しましょう。

岡山後楽園への訪問にあたっての注意点やおすすめの時間帯

岡山後楽園を訪れる際には、以下の注意点があります。

まず、夏季は非常に暑く、日差しが強いため、帽子や日焼け止めを持参することをおすすめします。

また、花粉症の方が春季に訪れる場合はマスクなどの対策が必要です。

一方、おすすめの時間帯は、平日の午前中や夕方、週末の午後が混雑が比較的少ないです。

特に、春の桜や秋の紅葉の時期は非常に混雑するため、早めの時間帯に訪れることをおすすめします。

岡山後楽園は一日中ゆっくりと楽しむことができるため、時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。

岡山後楽園をより楽しむためのアドバイス

後楽園

岡山後楽園は、日本三名園の一つとして有名な庭園です。
豊かな自然と美しい景観が広がる園内には、多くの見どころがあります。

桜や紅葉の季節には、それぞれの美しさが際立ちます。

また、後楽園には、茶室や藩主の御殿など、江戸時代の風情が残る建造物もあります。

訪問にあたっては、事前に天候や混雑状況を確認することが大切です。

また、庭園内でのマナーにも配慮し、大切に保護している文化財には触れないように注意しましょう。

さらに、園内をゆっくりと散策するためにも、十分な時間を確保することをおすすめします。

後楽園での滞在をより楽しむためには、周辺のグルメや観光スポットも合わせて訪れることをおすすめします。

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