『地図から消えた島』から『ウサギの楽園』?瀬戸内海に浮かぶ「大久野島」は自然のパラダイス

大久野島のウサギ 戦争遺跡
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はじめに:大久野島の紹介

大久野島とは?

大久野島
大久野島は、広島県竹原市に位置する小さな島です。 この島は美しい自然と繁華なウサギの多さから、「ウサギの島」としても知られています。 大久野島には毎年数多くの観光客が訪れる絶景スポットもあります。 島の最高点には周辺地域を一望する展望台があり、美しい夕焼けや眺めが楽しめます。 キャンプ場・海水浴場などのレジャー・レクリエーション施設や島内唯一の宿泊スポット「休暇村大久野島」では食事や宿泊はもちろん、温泉も楽しむことが可能です。 島内には900羽を超えるといううウサギが生息しており、ウサギと一緒に楽しむ自然のパラダイスとして、毎年多くの観光客で賑わっています。

大久野島の歴史

古くは村上水軍の末裔が住んでいたと言われている大久野島。 最初に近代的施設が建てられたのは、瀬戸内海の難所の一つである来島海峡を避けるように置かれた、9つの灯台の内の一つが大久野島に設置された「大久野島灯台」です。 その後、大日本帝国陸軍の要塞である「芸予要塞」が建設され、この要塞はのちに毒ガス保管所として利用されることになります。 大久野島では、昭和初期から終戦となる1945年まで、戦争で使用するための毒性のガスが大日本帝国陸軍によって秘密裏に製造されていました。 そのため、太平洋戦争の終戦までは大久野島周辺は「地図から消された島」と呼ばれており、今なお様々な戦争遺跡が残っています。

大久野島のうさぎ

大久野島のウサギ

ウサギがなぜこんなに多い?

大久野島では戦前からウサギが飼われていたようで、毒ガス製造の実験に用いられていました。
そのウサギが野生化したしたとも言われているが、戦後に実験用のウサギは全て殺処分されたため、この時の子孫は大久野島には存在しません。
では、現在のウサギはどこから来たのでしょうか?
それは、戦後に地元の小学校で飼われていたウサギが放たれて、それが野生化して繁殖。
その後も大久野島へのウサギの投棄が繰り返されたことで個体数が増えていったのではないかと言われています。

ウサギについての注意点

大久野島のウサギに関しては、マナーを守るように呼びかけられています。

  • 追いかけまわしたり、抱っこしないで
  • 道路や道路脇、休暇村玄関前でのふれあいはダメ
  • ゴミやタバコのポイ捨て、余った餌を捨てないで
  • 人間の食べ物(お菓子やパン)を食べさせないで
  • 島のウサギを持ち帰らないで
  • 島にウサギを捨てないで
  • 口もとに手をやらないで
  • 車の下にいるウサギに注意して
  • レンタサイクルで暴走しないで
  • ウサギの水入れに水を入れて
  • 静かにそっと見守って
エサやりは現在のところ禁止されていません。
ただ、大久野島にはウサギの餌は販売されていません。
忠海港で販売されているのを購入するか、野菜を自宅から持参するのもおすすめです。
ベタですが、にんじんなんかが喜ばれるみたいですよ。他にはキャベツなども。
※ウサギが食べることが出来ない野菜もあるので、事前に確認してから持参しましょう。

観光スポット

大久野島毒ガス資料館

秘密裏に大日本帝国陸軍によって毒ガスが製造されており、「毒ガスの島」としても知られている大久野島。 その歴史を風化させないという地元住民の願いもあり、建設されたのが大久野島毒ガス資料館です。

島内には他にも毒ガスを製造していた建物が遺構として現存していますが、そのほとんどは立ち入り禁止となっており、注意が必要です。
開館時間 9時〜16時30分(入館は16時まで)
休館日 年末年始(12月29日〜1月3日) ※臨時休館日あり
料金 19歳以上一般150円、団体(20名以上)120円
※次の方は、入館料が免除になります。
・19歳未満の方
・身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の交付を受けている方

大久野島灯台

大久野島灯台

大久野島の南端に建っているのが「大久野島灯台」です。
現在の灯台は2代目で、初代は香川県高松市にある「四国村」へ移設されて保存されています。

ひょっこり展望台

大久野島のほぼ中心地にある、島の最高峰でもある標高100mの場所にある瀬戸内海を360°見渡すことが出来るウッドデッキの展望台です。
展望台には、自分の影で現在の時間を示すことができる「影で分かる時計」、周囲の島の名前が分かる「のぞき穴」、展望台から見ることが出来る「回転星座盤」、さらにここからは高さ226mの「日本一高い送電鉄塔」を見ることが出来ます。

平成30年の豪雨災害により3年以上も展望台への道は不通となっていましたが、2022年4月より山頂道路が再開されたようです。

毒ガスの島としての遺構

大久野島・発電所跡
「毒ガスの島」としての顔もあった大久野島。
現在でもその当時の施設の遺構が残っています。
この写真は島内で毒ガスを製造する際に、電力を供給していた発電所跡です。
この他にも毒ガス貯蔵庫の跡などが残っています。

レンタサイクルで島内散策

大久野島は周囲4.3kmなのでのんびり歩いてもいいですが、島内の散策には休暇村で借りられるレンタサイクルが便利。
普通自転車と電動自転車の二種類から選ぶことが出来ますが、ここはケチらずに電動自転車がオススメです。
島内は起伏がありますので、普通自動車は結構辛いです。
レンタル料はビジター客と休暇村宿泊客とで値段が違います。

普通自転車 ビジター:600円
宿泊客:400円
電動自転車 ビジター:800円
宿泊客:600円

アクセス

電車 JR山陽新幹線「三原駅」下車、JR呉線に乗り換えて約25分。
「忠海駅」で下車。
バス 広島バスセンターより芸陽バス「かぐや姫号」で約90分。
「忠海駅」で下車。
関西方面から:山陽自動車道「本郷IC」で降りて忠海港まで約16km。
広島方面から:山陽自動車道「河内IC」で降りて忠海港まで約24km。
忠海港に無料公共駐車場(約200台)があります。
※大久野島島内は車両走行禁止ですが、キャンプなどでの乗り入れは可能です。
詳しくはお問い合わせください。
忠海駅から 忠海駅から忠海港まで徒歩約3分。
忠海港からフェリーで約15分。

まとめ

2011年、この年は卯年だったために日本や海外のメディアに取り上げられて有名になった大久野島。
『ウサギの島』が『陽』の面なら、『毒ガスの島』としての大久野島は『陰』の面となります。
陰と陽の対比と歴史を振り返りながら、ぜひ大久野島を訪れてみてください。

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